News & Column

タンナー発レザーアイテムブランドだから語れる  ~皮から革ができるまで~

財布、鞄、靴。世の中には革が使われているものがたくさんあります。
みなさんもお気に入りの革製品を使われていたり、生活の中で革製のものに触れることがあるのではないでしょうか。
では、皮はどうやって革になるのでしょう。

革を作るメインの工程となる「鞣し(なめし)」という加工があります。
鞣しとは生皮(生皮)を化学的、物理的操作により、種々の実用性能を持った「革」に不可逆的に変換することです。
主な要件は
①皮に耐熱性を与えること
②化学試験や微生物に対する抵抗性を付与すること
③皮に柔軟性を付与し、所謂「革らしさ」を与えること
となっております。


今回のブログではタンナーから生まれたブランドだからこそ語れる、前述の鞣しを含んだ原皮から出荷までの工程を紹介させていただきます。
※タンナー山陽は食肉の副産物の原皮だけを材料に、LWG(Leather Working Group)認証を基に生産した、持続可能な天然皮革を使用しています。LWGにつきましてはこちらをご覧ください。
LWG(Leather Woking Group)環境認証を取得しました | 株式会社山陽 | Sanyo Leather (sanyotan.co.jp)



<原皮から革素材になるまで>

こちらの動画(「Make One Leather(VR動画)」一般社団法人日本タンナーズ協会)でも解説しています。 
※こちらの動画で紹介されている革製作の現場は㈱山陽です。



1.原皮の洗浄 
 
(1)原皮  食肉の副産物として発生する動物の皮です。長期間の輸送となり、腐敗を防ぐため塩漬け(キュアリング)処理がされています。 (2) 水漬け タイコ(ミキサードラム)に温水と脱脂材を入れ、汚れや塩分を洗い流し、もとの生皮の状態に戻します。


2.鞣しの前準備 
 
(1)裏打ち 皮の裏面に付着している余分な脂肪や肉を取り除きます。 2)脱毛・石灰漬け 毛や垢を取り除き、皮を膨潤させ繊維構造を緩めます。


 
(3)分割 皮の裏面を漉き、大まかに厚みを整えます。 (4)再石灰漬け 再度、石灰を使って皮を柔らかくしていきます。(仕上げる革の性質によっては省かれます)

 
(5)脱灰・酵解 皮から石灰を抽出し、表面を滑らかにします。 (6)浸酸 鞣しをスムーズに行うため、皮を酸に漬けphを調節します。



3.鞣製  

(1)鞣し(なめし) 
ここで「皮」は「革」になります。 
植物タンニンや金属を使って皮に様々な耐久性を付与していきます。 (※この工程については、今後詳しくご説明いたします。) 


4.鞣し後~染色~乾燥 
 
(1)水絞り・背割り 余分な水分を絞り、一頭分の皮を背中を中心に半分に割っていきます。(背割り後の革は「半裁」と呼ばれています。) (2)シェービング 使用用途に応じた厚みに革の裏面を削ります。


 
(3)再鞣し(さいなめし) 使用用途に応じた特性や風合いを付与します。 (4)染色・加脂 革に色をつけ、脂分を加えます。この工程で、必要な革には防水性が付与されます。


 
(5)セッティング(伸ばし) 染色した革の水分を取り除くとともにしわを伸ばしていきます。 (6)乾燥 革の水分量を調節します。仕上がりの風合いによって自然乾燥や機械を使った方法など使い分けます。



5.仕上げ 
 
(1)ステーキング(バイブレーション) 革の繊維をほぐして柔らかくします。 (2)ネット張り乾燥 革を引っ張りながら乾燥させ、しわを伸ばします。


 
(3)銀むき(バフィング、ペーパーがけ) 使用用途によっては、表面をサンドペーパーで削る場合もあります。 (4)塗装 革の表面に色をつけていきます。 染色では革の芯まで色をつけますが、塗装は表面だけに色をつけます。


 
(5)アイロン 革の表面と塗装膜に熱を加えることで平滑性を出していきます。 (6)型押し 使用用途に応じて、模様をつける加工を行います。



6.検査・計量・出荷 
 
(1)検査 仕上がった革に異常がないか最終検査を行います。 (2)計量・出荷 大きさを計り、梱包され加工先へと出荷されます。


7.製品 

ビジネスバッグ - TAANNERR -
(1)縫製
製品に加工されます。 

以上が革を作る工程になります。TAANNERRのアイテムも同じようにタンナー山陽の職人1人1人が熟練の技術を用いて製作しています。

それではまた次回の投稿で。