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TAANNERRに使用している革ができるまでの工程 ~ 鞣し/乾燥編 ~ ②

みなさんこんにちは、前回の記事
「TAANNERRに使用している革ができるまでの工程 ~ 入荷 / 水洗い / 石灰漬編 ~ ①」を
ご覧になってからこちらの記事をご覧下さい。

04 . 鞣し編




下準備を済ませた皮に、腐敗させず耐熱性や弾力性などの実用性を与えるのが鞣し作業です。

山陽レザー「ピットヌメ・タァンネリル」は、国内でも希少な大規模ピット槽(植物タンニン槽)で約1ヵ月、時間をかけてミモザの樹皮から抽出したタンニンを浸透させます。




植物タンニン鞣しの製法はこのピット槽による鞣し以外に、ドラム鞣しがあります。
ドラム(または太鼓)と言われる大きなワイン樽のような装置に原皮とタンニン鞣し剤を入れ、回転させながら革にタンニンを浸透させていく製法です。
染み込ませていくというよりは叩き込んでいく製法で、1日~2日間という短期間で鞣すことができるため、製作コストを抑えることができます。


❓それではなぜ、手間ひまかかるピット槽鞣しを行っているのでしょうか

その理由は、ドラム鞣しは短期間で浸透させるため、革に様々な負担がかかり、ピット槽鞣しと比較すると繊維のつまり具合が悪くなり、タンニンの浸透具合も変わるため、革の経年変化にも影響してくるからです。

植物タンニン鞣し革は、ヌメ革とも言われています。
ピット槽で鞣した植物タンニン鞣し革は、堅牢かつ革製品のコバを磨きのみで綺麗に仕上げられることが最大の特長になります。
この特長がピットヌメ革を本ヌメ革と言われる所以です。

この鞣し作業が、皮から革へと生まれ変わる革づくりの心臓部分になります。



05 . 乾燥編




鞣し作業が終わった革には、
水分がたくさん含まれているので、水分を除き乾燥させて革の状態を安定させます。
乾燥方法は自然乾燥や機械設備を使用した熱風乾燥などがありますが、植物タンニン鞣しは、自然乾燥で革を乾かします。



今回は、革ができるまでの工程 ~ 鞣し / 乾燥編 ~ ②をご紹介致しました。
続きはまた後日、「加工 / 仕上げ編」をご紹介致します。

また次回の投稿で。